【特集】賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準
(対象:上場会社、上場準備会社)
平成22年3月31日以後終了する事業年度の年度末に係わる財務諸表から
「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」が適用されます。
1.「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」の解説
会計基準の概要
賃貸等不動産を保有している場合は、財務諸表に時価等を注記しなければならない。
賃貸等不動産の範囲
「賃貸等不動産」とは、棚卸資産に分類されている不動産以外のものであって、賃貸収益又はキャピタル・ゲインの獲得を目的として保有されている不動産(ファイナンス・リース取引の貸手における不動産を除く。)をいう。
注記の要否のフローチャート
注記すべき事項
- (1) 概要(内容、種類、場所など)
- (2) 賃貸等不動産の貸借対照表計上額及び期中における主な変動
- (3) 賃貸等不動産の当期末における時価及びその算定方法
- (4) 賃貸等不動産に関する損益
時価の算定方法
賃貸等不動産の当期末における時価とは、通常、観察可能な市場価格に基づく価額をいい、市場価格が観察できない場合には合理的に算定された価額をいう。
| 時価 | ||||||||
| 市場価格あり | 観察可能な市場価格に基づく価額 | |||||||
| 市場価格なし | 合理的に算定された価額 (自社における合理的な見積り又は不動産鑑定士による鑑定評価等として算定) |
|||||||
| 原則的方法 | ||||||||
| 「不動産鑑定評価基準」(国土交通省)による方法 | ||||||||
| ①原価法(コスト・アプローチ) ②取引事例比較法(マーケット・アプローチ) ③収益還元法(インカム・アプローチ) の3手法の適用により求められた価格を併用又は斟酌して算定する。 |
||||||||
| 上記に類似した方法 | ||||||||
| 契約により取り決められた一定の売却予定価額がある場合 | ||||||||
| 当初売却予定額 | ||||||||
| 指標に重要な変動が生じていないとき | ||||||||
| 取得時の価額又は直近の原則的な時価算定による価額に一定の調整した金額 | ||||||||
| 指標の変動が軽微であるとき | ||||||||
| 取得時の価額又は直近の原則的な時価算定による価額 | ||||||||
| 重要性が乏しいもの | ||||||||
| 一定の評価額や指標に基づく価額等(容易に入手できる評価額や指標を合理的に調整したものも含まれる) (容易に入手できる評価額や価格指標の例) 実勢価格や査定価格などの評価額、公示価格、都道府県基準値価格、路線価による相続税評価額、固定資産税評価額 |
||||||||
|
||||||||
開示例
賃貸等不動産を一括して注記する場合
当社及び一部の子会社では、東京都その他の地域において、賃貸用のオフィスビル(土地を含む。)を有しております。平成XX年3月期における当該賃貸不動産に関する賃貸損益はxxx百万円(賃貸収益は営業外収益に、主な賃貸費用は営業外費用に計上)、減損損失はxxx百万円(特別損失に計上)であります。
また、当該賃貸等不動産の連結貸借対照表計上額、当期増減額及び時価は、次のとおりであります。
| (単位:百万円) | |||
| 連結貸借対照表計上額 | 当期末の時価 | ||
| 前期末残高 | 当期増減額 | 当期末残高 | |
| xxx | xxx | xxx | xxx |
| (注1) | 連結貸借対照表計上額は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額であります。 |
| (注2) | 当期増減額のうち、主な増加額は不動産取得(xxx百万円)であり、主な減少額は減損損失(xxx百万円)であります。 |
| (注3) | 当期末の時価は、主として「不動産鑑定評価基準」に基づいて自社で算定した金額(指標等を用いて調整を行ったものを含む。)であります。 |
2.「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」の実務上のポイント
賃貸等不動産の時価は、不動産鑑定士に鑑定評価を依頼することもできますし、自社で見積ることもできます。いずれにしても財務諸表の数値である以上、当然、公認会計士監査の対象となりますし、その見積りが合理的であることが求められます。また、誤った数値を注記することは内部統制の不備にも結びつきかねません。
「不動産鑑定評価基準」に基づく時価の内部評価は、不可能ではないと思いますが、手間(工数)がかかるわりに信頼性に乏しいものとなる可能性があります。監査をする側の立場からしても、不動産鑑定の技術がない経理担当者による時価算定のレポートを提出された場合は、相当な工数をかけて監査をすることになると考えられます。しかし、不動産鑑定士による鑑定評価書に基づいて時価開示を行っている場合は、一定の信頼性が確保されているため監査人の監査工数は極めて少なくて済むはずです。
「たかが注記」に外部の鑑定評価まで取れない!! と言いたいところだと思いますが、賃貸等不動産の時価算定にかかる内部評価工数や監査工数も加味した実質的なコストを考えると、外部の不動産鑑定士へ評価依頼した方が安いケースも出てくるのではないかと思います。
また、内部で行うにしても外部に依頼するにしても、評価にはある程度の時間がかかりますので、決算を迎えるまでに前もって準備しておくことが必要です。
3.賃貸等不動産の時価等の開示支援サービスのご案内
MAAS LLCでは、公認会計士、税理士、不動産鑑定士によるワン・ストップの賃貸等不動産の時価等の開示支援サービスを提供しています。開示が必要かどうかの重要性の検討や資産に応じた評価方法の提案などの導入コンサルティングは無料で行っていますので、これから対応を始められる会社様はお気軽にご相談ください。
サービスの内容
- 導入コンサルティング
-
・ 開示対象資産の範囲の確定 ・ 重要性の判断 ・ 評価方法の提案
- 賃貸等不動産の時価評価サービス
-
・ 不動産鑑定士による簡易評価 もしくは 鑑定評価
- 賃貸等不動産に関する注記の作成
-
・ 賃貸等不動産の概要 ・ 賃貸等不動産の貸借対照表計上額及び期中における主な変動 ・ 賃貸等不動産の当期末における時価及びその算定方法 ・ 賃貸等不動産に関する損益
- 内部統制評価制度への対応
-
・ チェックリスト、RCMの作成 ・ 弊社の品質管理体制の報告
サービス料金の目安
| 導入コンサルティング | 無料 | - |
| 基本料金 | 100,000円(税別) | - |
| 簡易評価 | 50,000円(税別)/物件~ | 1週間程度 |
| 鑑定評価 | 100,000円(税別)/物件~ | 2週間程度 |
サービス提供地域
全国。ただし、関東・関西以外の会社様の場合は、別途、出張旅費を申し受けます。
お気軽にお問い合せください。TEL 06-6220-1811
メールでのお問い合せはコチラをクリックしてください。→info@maas.co.jp
