株式会社MaaS Tech Japan(以下「MaaS Tech Japan」)は2025年10月2日、株式会社NTTデータに協力する形で、兵庫県洲本市における観光客向け夜間移動サービス「すもとシャトル」の実証実験に参画することを発表しました。

日本は世界的にも少子高齢化が加速し、過疎化などが進む地域も多い中、持続可能的に移動できるまち/社会づくりが急務となっています。
NTTデータは、内閣府が推進する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期」の「スマートモビリティプラットフォームの構築」において、モビリティサービスの立ち上げ・運営する際に必要となる共通的な機能を備えた基盤SSMの研究開発を進めています。今回、MaaS Tech JapanはNTTデータの研究開発において、洲本市をフィールドとした実証の設計・実装・運用支援を担当し、洲本市が抱える夜間移動とまちの賑わい創出を巡る課題を解決するための新たなモビリティサービスづくりを支援しました。
▼本協業に関するプレスリリースはこちら

本記事では「すもとシャトル」の事例と当事者へのインタビューを通じ、洲本市で解決したい課題から、でも新しいモビリティサービスを生み出すことのハードルや難しさ、そしてそれを解決・解消するためのSSMの可能性などについてご紹介しています。
※本記事には、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の下で推進する
「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/スマートモビリティプラットフォームの構築」(研究推進法人:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)(NEDO管理番号:JPNP23023)の成果が含まれています。
登場人物

洲本市 産業振興部
観光交流係/観光産業の育成及び振興に関すること、観光施設・海水浴場等に関することなどを担当。温泉街と繁華街を結ぶ夜間の送迎バス「すもとシャトル」は、洲本市への旺盛な観光需要を見据え、地域一帯での観光消費額向上や地域の暮らしを支える公共交通の維持・活性化を促進する一環として運用実証に至っている。
MaaS Tech Japan
2018年創業。「100年先の理想的な移動社会の基盤を構築し、移動社会を高みにシフトさせる」ことをビジョンに掲げ、データドリブンの最適な交通ソリューションを提供する。移動データを結合・可視化するシステムやMaaSアプリといったプロダクトやサービスの展開を通じ、それぞれ異なる課題を抱える都市や地域ごとにさまざまなモビリティデータを利活用することで、交通のDX化を推進している。
Shared Service for Mobilityは「簡単・連携」をコンセプトに、新たな移動サービスの導入障壁を下げる“雛形”
Shared Service for Mobility(SSM)とは、①新しいモビリティサービスの導入・運行に必要な機能の提供と、②地域や事業者間でのモビリティ・移動周辺データの連携 を可能にするモビリティ特化の共有基盤。「簡単・連携」がコンセプトで、SSM活用により、既存の交通サービスや地場の交通事業者などの資産・プレーヤーも「連携」(②)させながら、誰もが負担少なく、新しいモビリティサービスを「簡単」(①)に組成することが目的です。
イメージはメールや文書の “雛形” に少し近いかもしれません。
つまり、事業者個別に仕組みを構築する(一人ひとりがゼロからメールの文書を作る)のではなく、みんなが使える共通の仕組みを低コストかつ広範に横断展開させる(メールの雛形を代表して作成し、横展開する)ことで、モビリティの導入や運用がより効率的になる(メールを作る時間や考える時間を節約できる)とともに、モビリティに関するデータを地域や事業者間で共有でき(情報共有や社内外連携がしやすくなったり、他の外部システムとも連携・同期しやすくなる)、結果として地域交通の維持発展(他の業務に手が回り、事業活動に注力できる)などが期待できるというシナリオです。

ちなみに、SSMの共通機能は、テクノロジーや技術に関するものではなく、これまで人力で担ってきた調整や確認、承認など、時間や工数はかかるものの目立たないような業務や手間(「名もなき家事」のようなイメージで、一つ一つのインパクトは小さいかもしれないが、塵も積もれば山となるほど日々発生し、省略や割愛などができない大切な業務)を楽にするための機能群を指します。
とはいえ、ぴんとこないですよね。
ここからは、SSMが生まれた背景(新たなモビリティサービスを導入するに必要な手間や負担)やメリット、期待される将来絵図などについて、洲本市様との具体的な取り組みを交えながら紐解きましょう。
洲本市「観光客の夜間移動ニーズに応え、地域一帯の周遊利便性と賑わい創出につなげたい」
洲本市は、淡路島の政治・経済・文化の中心として栄えてきた一方、近年は人口減少・少子高齢化が進行しています。
特に繁華街エリア(新開地)は、かつては人が通ることも難しいほど賑わっていたものの、社会の流れやライフスタイルの変化などに伴い、当時と比べて活気が弱くなってきているといいます。

そうした中、コロナ禍を経て、多くの観光客が洲本市にも訪れてくれています。特に温泉街を中心に宿泊者数は年間60万人を超え、安定的に推移するなど、多くの潜在的な需要が見込まれています。
こうした観光需要が期待される一方で、課題として浮き彫りになってきたのが、約4km離れる温泉街と繁華街を結ぶ夜間の移動手段不足です。
洲本市 大畑氏洲本市には路線バスが1社のみで、宿泊施設の送迎バスを含めて運行時間やカバー範囲に制約があります。タクシー会社も3社いらっしゃいますが、高齢化や運転手不足によって台数の確保が困難な状況が続いていました。
夜間の移動を便利にすると同時に、繁華街に足を運んでもらうことでの地域一帯の賑わい創出につながる何か新しいモビリティサービスが必要ーー。



洲本市としては、観光客流入による好影響を温泉街だけにとどまらせるのではなく、4kmほど離れている繁華街にまで足を運んでもらい、地域一帯の賑わい創出・観光経済の発展につなげたいと考えました。
また、温泉街でも高齢化や人手不足などに伴い、従来のように宿泊のお客様にお食事を提供することが難しくなっています。今後、泊食分離の進行が見込まれるなかで、宿泊施設側が持続可能な運営をできる体制にすることも、同時に実現できる一歩になると期待しました。


人口減背景に、非交通プレーヤーでも新たな移動サービス構築ができる体制やデータが必要に
しかし、ここに大きなハードル(障壁)が立ちはだかります。
①不慣れなプレーヤーでも交通インフラの整備・新規構築が可能な体制が乏しい
昨今の人口減に伴い、交通に携わっていた人材(運転手や運行計画を立てる人員など)が不足していく中、特に人口が小規模の地域では、地域交通の担い手は鉄道・路線バス会社などの交通事業者ではなく、自治体や観光DMO、NPO、地場の民間事業者や団体、スタートアップなど、これまで交通を生業にしていないプレーヤーが交通インフラの維持運営や新規構築などを担うケースが増えてきています。そして今後も増加が見込まれます。
これらの主体は、新しい交通手段を導入したくとも、具体的に何をどのようにするべきか不慣れなため途方に暮れてしまいます。
また、導入準備を進める中でも、新しいモビリティサービスの導入や、ダイヤ改正などの運行見直しには警察やその他関係者との状況共有・承認など、調整と手続きが必要になってきます。このコミュニケーションも標準化やデジタル化が行われておらず、進めたくても課題や障壁となりえます。
洲本市でもそうです。普段は交通分野に密に携わっていない商工観光課が、観光の切り口から、まちの回遊性向上や賑わい創出を目指して、交通事業者と連携したいと思っても、不慣れであることから細かな手続きや調整などに難しさを抱えてしまう事態に直面してしまうでしょう。
②正確な移動需給を把握する手掛かりとしてのデータが不十分
さらに、地域に適した交通手段の構築や、運行時刻・乗降場などの需給が見合う運行計画の策定には、地域全体の移動需要と供給を把握する必要があります。その手掛かりの一つになりうるのがバスやタクシーなど既存交通の利用実績ですが、これらはそもそも記録が取られていなかったり、取っていても各自が個別でデータを抱えていたりするケースが多いのが実情です。
自治体や交通事業者を含め、地域全体の移動需給をより正確かつ定量的に把握し、かつデータ化をしている存在はまだいないと考えられます。これら2つの大きな課題感を払拭・解決できる一つのが、さまざまな共通機能を備えたSSMであるとして、この度洲本市で検証が進められました。
SSMと既存交通リソースを組み合わせ、移動サービスの構想を実装へ
初となる取り組みを稼働させるには関係者の理解と協力が不可欠。意義の理解促進に加え、事前の説明やメリットの説明など丁寧にコミュニケーションを取りながら進めたと言います。





洲本市としては賑わい創出の旗振り役として関係者間の調整・コーディネートを担当しました。観光・宿泊業界はもちろん、繁華街側の小売、飲食など、それぞれ立場も異なる複雑な関係にあるステークホルダーに、夜間の移動手段の確保を通じてまち全体の賑わい創出につなげたいという取り組みの意義を説明しました。
これまでは温泉街・繁華街の距離も少しあるなどで、足並みを揃えたり連携したりする機会がありませんでした。「すもとシャトル」の実証はお互いにメリットがある取り組みだと理解を深めていただいた上、ご協力をいただけることになりました。
まち全体が一丸となるきっかけとなった本実証。初の試みであることから効果的な結果を出すには、専門家の目線も必要となります。洲本市はMaaS Tech Japanの提案力・アイデア力・実行力に助けられたといいます。



洲本市ではかねてより、温泉街と繁華街を結ぶ手段として自動運転バスを走らせようかとのアイデアは持っていたんですが、ノウハウや知見もないし、何から始めたら良いのか…という状態でした。そんな折、MaaS Tech Japan様には2024年度より、具体的なアドバイスと施策の提案をいただきました。
その際、自動運転といった新しいモビリティサービスの導入だけではなく、地域交通リソースが限られている状況においては路線バスやタクシーなど既存交通のリソースを活用する必要と余地があるという気づきをいただけたのは、本当にありがたかったです。
さらに、そのアイデアを形にするための具体的な策をリクエストしたところ、SSMの機能群の活用について提案いただきました。関係者間での知見がない中で、本当に頼もしい存在です。



洲本市様から移動に対する課題感(温泉街と繁華街を結ぶ交通サービスを確保することで、地域一体の回遊性を高める)をご相談をいただいた際、さまざまな方法があると感じました。既存モビリティの活用方法や他地域・国外の事例なども共有させていただきつつ、地場のバス会社やタクシー会社と連携しながらできる範囲で実行可能なアイデアをお出ししました。
もう一つ、実際のところの現状や課題感が把握できないという状況でしたので、施策をせっかく進めるのであれば、データもしっかり取得して次につながるようにもしたいとも考えました。リアルな需給ニーズを把握すべくデータを取れる仕組み(SSM機能群の一つ)を入れることもご提案しました。
本取り組みに参画した地元の関係者らは、立場も交通・移動に関する理解レベルも実にさまざま。ただ「こんな新しいシステムを入れましょう」といっても必要性や自身にどんな影響があるのかなど伝わりません。洲本市様と一緒に、誰もがしっかり理解でき自分ごと化をしていただけるように、共通言語をつくって目線を合わせた上で、それぞれにとってのメリットを訴求するなど、丁寧に理解の醸成と関係の構築を重ねていくことも準備・運用の上で心がけたことの一つとなっています。
「すもとシャトル」は夜間シャトルバスの運行システムと、タクシー配車依頼のデジタル化を検証
夜間移動サービス「すもとシャトル」では、このSSMを使って構築・検証した新たなモビリティサービスがこちら:
- 夜間シャトルバスの運行システム
- タクシー配車依頼のデジタル化
それぞれのサービス構築にあたり、どのようにSSMが活用されたのでしょうか?
夜間シャトルバス:運行計画の策定承認機能



冒頭の通り、デマンド交通やシャトルバスなどの導入や、運行ルートの再構成(見直し)をする際には、乗降場を計画し、警察や他交通事業者など複数関係者への共有や承認が必要となってきます。
SSMにある運行計画の策定承認機能を利用すれば、位置情報や写真などを元に乗降場計画を策定した上で、同時に関係者へ共有し、コメント・差し戻し、承認などのアクションを取っていただくことが可能です。今回はバス会社の淡路交通様にて夜間シャトルバスの乗降場計画を策定いただき、SSM上で洲本市にて差し戻しや承認を行っていただきました。




洲本市 大畑氏に振り返っていただきました。



(SSMの機能を使うことで)まさに交通事業者との調整が円滑になりました。また、これまでは予約システムなどを触ったこともなかったしノウハウもなかった上、なおさらデータ取得までは至らず…。そういう知見や経験がない中でも、MaaS Tech Japanが我々(洲本市や交通事業者)に対し詳細な説明やサポートをしていただけたのも、安心して運用できたポイントと感じます。
淡路交通様からも実証の準備段階から「予約システムからお客様の乗降データなどを取れるという意味では、今後の施策に活かせる」と前向きかつ期待感を持って取り組んでいただけたといいます。
タクシー配車:送迎・ツアー予約機能と、運行調整機能
洲本市では、特に夜間のタクシー供給が需要に対して不足しているとの声が聞こえるとともに、タクシーの配車依頼は各社が電話でのみ個別で受けている形。観光客などにとってはなおさらタクシーを捕まえづらい状況です。
また、タクシー需給に関するデータもあるわけではなく、移動需要に対し本当にタクシーが不足しているのか、足りていない場合はいつ・どの時間帯なのか、といった需給バランス状況の詳細も把握できていなかったそうです。



そこで、SSMにある送迎・ツアー予約機能(アプリ)と地域交通資源の需給調整を支援する運行調整機能を活用。タクシー配車依頼のデジタル化と集約化の実証を進めました。
SSMの送迎・ツアー予約機能(アプリ)を活用すれば、タクシー利用希望者はLINEミニアプリから配車依頼を地域の複数のタクシー事業者に一度で同時に行うことができます。一方の各タクシー事業者は、運行調整機能を利用して配車依頼に対する回答が可能です。これら機能により、タクシー利用希望者の利便性向上と限られた地域交通資源の効率的な活用を同時に実現することが可能です。
SSMではまた、残念ながらすべて出払っていてタクシー配車ができないといったケースも含め、利用希望者の配車依頼とタクシー事業者側の回答結果を日々データとして蓄積することができます。そのため、仮説として洲本市様がお持ちだった夜間にタクシーが不足しているのかどうかや、その内容については実績データをもとに確認可能となります。
洲本市 大畑氏によると、これまでは電話予約のみだったタクシー会社様でしたが、まったく初の取り組みである予約システムに挑戦する姿勢が印象的だったともに、「これまで取りこぼしてきたニーズの取り込みにも活用できる」とのコメントも。



これまで3社それぞれが独立してなんとなく利用データなどを持っていた状態でした。SSMでデータを共有し合える仕組みにすることで3社間の連携が深化できるとお伝えしたところ、皆さん前のめりになって聞いていただけたんです。嬉しかったですね。
タクシーとシャトルバスの乗降場はあえて同じに
通常であれば、タクシーは好きなところで乗り降りできたり、ツアー発着場所やバス乗り場はそれぞれ異なっているものですが、今回のシャトルバスとタクシーの乗降場はあえて同じにしたようです。



SSMの送迎・ツアー予約機能(アプリ)で作成した送迎・ツアーの発着場所は、SSM運行計画の策定承認機能を用いて作成した乗降場を指定することができます。今回の実証でもシャトルバスとタクシーの乗降場所は同じものにしました。
タクシーからすれば従来のドアツードアのサービスとまではならないのですが、地域の限られたモビリティリソースを最大限活用していくには、利用者側のニーズとも一定の折り合いを設けながら、運行効率を上げるアプローチも必要となります。
また、乗降場所があらかじめ決まっていると1回の運行の所要時間などが見積もりやすくなるので、タクシーに乗りそびれたお客様が乗れたり、待ち時間が短くなったりと、需要と供給がより合わせやすくなると考えています。
温泉街と繁華街が力を合わせるきっかけに。民間の自主的な動きも芽生え
1ヶ月弱(10/27取材時)の運用を経て、速報値ベースの成果や気づきに加え、想定外の嬉しい変化もあったそうです。



夜間シャトルバスは1日6往復の運行だったのですが、多い日でのべ50人以上の利用がありました。夜の洲本を楽しみたいというニーズの高さを実感しています。


「私も18時過ぎに夜間シャトルバスを利用させていただいたのですが、ほぼ満席状態」と付け加えるMaaS Tech Japanの清水。ご家族やご夫婦など幅広い世代がお乗りになっていたそう。



SSMの機能の中で事前予約ができると、観光客も帰りの移動手段を確保した上で夜の洲本を安心して存分に満喫いただけますし、その利用・乗降データを予約実績から見えてきます。この蓄積から、より実態に即した効果的な施策を今後検討できるようになると考えます。
すもとシャトルの認知経路の多くは現地に着いてから。市中のあちこちにチラシを貼ったり、ホテルやお店などに置いてもらったりして、その効果は大きかったもよう。ホテルのスタッフさんからご案内いただくことも多かったようで、温泉街から繁華街に送客する動きも見えています。




実はこのチラシはMaaS Tech Japanが作成したのですが、PR/プロモーションの方面でもサポートいただいたと洲本市 大畑氏からはコメントもいただきました。洲本市 大畑氏はさらに、本取り組みを経て想定外の嬉しい気づきや変化もあったと教えてくださいました。



ホテルで働かれている方からバスがあると通勤に使えて便利だという声を聞きました。いつもは自転車で街中から温泉街に行くため、移動負担も大きいが、こうした温泉街と街中を結ぶ夜間の移動手段があると、観光客のみならず住民の方々にとっても毎日の移動が便利かつ快適になるのだと気づきました。
余談ですが、MaaS Tech Japanによると、SSMは地域生活交通の需給可視化・整備や維持向上にも活用可能とのこと。例えば、中学校や高校の統廃合が進む中、部活動の運営を学校単位ではなく地域で集約する動きが推進されています。すると日々の移動需要の把握、需要にあわせた交通手段の整備、日々の需給調整が必要となり、こうした場面でのSSMの機能群が活かせるのではないかということです。
もっと嬉しい変化が、これまで若干の隔たり(物理的な距離含め)があった温泉街と繁華街がお互いに協力し合い、自主的にまち全体の活性につながるような動きをし始めたこと。



行政主体で今回の実証を進めてきましたが、本来のあるべき姿は、民間が主役になってプレーヤーとして動く社会。私たちは「すもとシャトル」で温泉街と繁華街をバスでつなぐまでは行いましたが、受け入れ側(繁華街の飲食店や商店)も「この実証期間にクーポンを用意しよう」と民間独自の施策を打ち出したほか、ホテル側も、まちなかの魅力を伝えるために繁華街の関係者らと打ち合わせをしたり、ホテルのスタッフがまち案内をしたりと、全員一丸となって観光客をおもてなししよう、まちをもっと元気にしようという意識が芽生えたように感じます。


インバウンド需要も見据え、マイカーがなくても誰もがまち全体を周遊できる体制づくりへ
2025年4月からは近隣の神戸空港で国際線が就航するなど、インバウンド需要なども今後ますます期待できます。
まずは年間60万人の宿泊客を街中にどう運んで地域一体の賑わい創出に繋げるかというのが引き続きの至上命題。同時に、さらなる拡大が見込まれる観光需要に対応できるよう、マイカーがなくても洲本市内を周遊できる体制を強化したいと、洲本市 大畑様は意気込みます。



洲本市には魅力的なスポットが多いです。今回は温泉街と繁華街が舞台でしたが、今回の気づきや取得したデータとともに、醸成され始めた地域一丸の機運も活かしていければ、まち全体はもっともっと成長し、伸びていくと信じています。
MaaS Tech Japanも今後の展望やSSMの可能性について言及します。



1ヶ月間の実証ではありましたが、手応えとしては宿泊事業者様やタクシー・バス会社様に予約実績などをご覧いただくことで、潜在的なニーズを把握でき、事業者ごとの立場から気づき、今後の活動の参考になるのではないかと感じます。
また本取り組みは共通の言語や認識を持つきっかけになったと感じます。これらを継続して持ち続けるためにも、共通のシステム基盤が必要で、SSMとはその横串を担う存在になると期待します。こうした共通認識や言語を持つための共通基盤が整えば結果として、より一層「自分ごと化」が促されます。そうすれば今回のように、地域側のそれぞれが率先して動き、連携するような好サイクルにつながると思います。
Shared Service for Mobilityは地域関係者をつなぎ、持続可能な移動社会に近づけるための基盤
デジタル庁から出されている「モビリティ・ロードマップ2025」には「交通商社機能」という言葉が登場しました。
この機能の役割は、地域の都市計画から公共交通計画、交通以外の行政計画、まちづくりの取り組みまでを連携させつつ、地域の移動需要を把握・収集、さらには需要創出を進めながら、地域の移動供給(モビリティサービス)をマッチさせることで、地域のモビリティサービスを持続可能なものにしていくこと。
MaaS Tech JapanではSSMを、この構想を担うデジタルプラットフォームにしていこうと位置付けています。



私たちは、地域関係者が地域交通の需給を把握し、地域にあった交通ネットワークを企画導入し、維持発展していくためには、SSMのような持続可能な共通の基盤が必須と考えます。SSMを基盤としながら、個別で異なる必要な機能や仕様についてにのみ、他システムと連携・接続することで無駄なく必要な部分だけを拡張いただけます。
SSMをあらゆる場面・プレーヤー間で広く利活用してもらうために意識していることは2つ。”誰もが簡単に”使えること、運用コストを低減することです。
交通事業者は通常業務として運行計画や調整を行うため、一定の理解度の元でSSMの機能を使っていただけますが、今回の取り組みのように交通事業者以外の例えば行政、観光関係団体など普段交通事業とは関わりの薄い方でも、モビリティサービスを導入検討できるようにしなければいけません。



誰もが使いやすくするには機能はどうあるべきか?という検討は今後も必要で、ここはまだまだ伸びしろがあります。洲本市の関係者の皆様からは多くの貴重なフィードバックをいただいたので、これらを基に機能のブラッシュアップをしていきたいです。
2つ目の低コストへの心がけですが、SSMは業務システムではありません。広範に普及浸透させるには、多くの方が安価かつ負担少なく使っていただけるようにしなければならず、そのための運用コストを抑えた作りにこだわっています。
MaaS Tech Japanとは持続可能でシームレスな地域移動社会の実現を目指しています。この世界は1社単体では実現できません。今回の洲本市のように、交通業界もそうでない業界・領域のさまざまなステークホルダーの方々と一緒に力を合わせて取り組んでいきたいと考えています。
実現に向けては、SSMも含めてまだまだ足りていない要素もありますし、既存のモビリティサービスを提供するさまざまなソリューションとの連携も進める必要があります。まずは今回の洲本市様での大切な学びやフィードバックも活かしながら今後の機能開発の拡充などを目指していきます。
本件についてもう少し詳しく聞きたいというご要望はもちろん、移動や地方交通などMaaSに関するお悩みや協業に関するご相談、MaaS Tech Japanが展開する各種プロダクトやサービス内容についてなど、お気兼ねなくお問い合わせください。




