【DATAFLUCT×MTJ】 現場の運行改善から経営改善へ!技術連携で利便性向上とコスト減を同時に叶えたSeeMaaSの強み

株式会社MaaS Tech Japan(以下「MaaS Tech Japan」)は、データに裏打ちされた交通施策を導くためのMaaSプラットフォーム「SeeMaaS」のありたき姿を実現すべく、データプラットフォーム構築・運用支援などを手掛ける株式会社DATAFLUCT(以下「DATAFLUCT」)と連携しました。

昨今、経験や直感、定性的な経験則などではなく、データや合理的根拠をもとに施策を立案・実行したり、効果検証を行ったりするEBPM(Evidence Based Policy Making)が重要視されつつあります。
SeeMaaSは、これまでデータに馴染みがなかった交通事業者や地方自治体の方々向けに、気軽かつ負担少なく取り入れてもらうことで、データを拠りどころに、現場の運行改善から、最終的には持続可能な経営体制の構築につながるようなMaaSツールとして深化と進化を続けています。

このnoteでは、DATAFLUCTとの技術連携に絡めながら、SeeMaaSに付加された価値やSeeMaaSで解決できること、データを扱うことで得られる便益などについて、開発の中枢にいる面々に伺います。

登場人物

今回お話しいただくのはDATAFLUCT 執行役員でAirlake事業責任者の石田氏と 事業推進部 GX/GIS領域を担当する河田氏。MaaS Tech Japanからは取締役副社長COOの清水と、SeeMaaSの開発をリードした古川が担当します。

左からMaaS Tech Japan 清水と古川、DATAFLUCT 石田氏と河田氏

DATAFLUCT

2019年設立。「データを商いに」をビジョンに掲げ、埋もれていたデータから新たな価値を生み出し、社会課題を解決するデータビジネスパートナーとして事業を展開する。非構造化データをはじめ、データの形式にとらわれない「マルチモーダルデータ活用」に強みを持ち、データの収集・蓄積・加工・分析を一気通貫で実現する。需要予測によるロスの削減、持続可能な都市計画、脱炭素に向けた行動変容など世界基準の課題に着目した自社サービスも展開し、誰もがデータを有効活用することで持続可能な意思決定をできる世界の実現を目指している。 

MaaS Tech Japan

2018年創業。「100年先の理想的な移動社会の基盤を構築し、移動社会を高みにシフトさせる」ことをビジョンに掲げ、データドリブンの最適な交通ソリューションを提供する。移動データを結合・可視化するシステムやMaaSアプリといったプロダクトやサービスの展開を通じ、それぞれ異なる課題を抱える都市や地域ごとにさまざまなモビリティデータを利活用することで、交通のDX化を推進している。

SeeMaaSは“現場の運行改善/経営改善”に効くツールへと深化

SeeMaaSはMaaS Tech Japan創業時からのプロダクトで、誕生当初はあらゆる移動データを統合・分析し、その地域の移動実態などを俯瞰的に可視化するためのツールとしての役目が大きめでした。

交通事業者は全国数百〜数万社におよびますが、データの持ち方は各社で異なるほか、昨今は自助努力でのデジタル化も進められており、業界全体におけるデータの標準化はあまり進んでいない状況。地域の移動課題を適切に把握し、新たな施策などを検討する材料とするために、さまざまなデータで全体を横串に見れる環境がまずは必要でした。

MTJ 清水

しかし、データで現状を把握したら終わりではありません。本来の目的はデータを使って課題を解決すること。使われないと可視化した意味がありません。「データを使ってどのように現場の課題が解決できるのか?」「そのデータがあることで何に役立てられるのか?」にまで踏み込むことは、データの活用を進めていく上でも重要でした。

多くの自治体・交通事業者の間では「便数やルートを変える必要がある」「赤字路線の要因を把握できていない」「ダイヤ調整の根拠が乏しい」「オペレーション改善の余地を数字で説明できない」という“きわめて実務的な課題”が横たわっています。

MTJ 清水

SeeMaaSはいま”データをみる”から”データをもとに解決方法を提示する”にまで踏み込んで、「現場の運行改善に効くツール」へと役割をひとつアップデートさせています。そして、その先の経営改善にまでお役立ていただくことを目指しているのです。

DATAFLUCTとの連携で、SeeMaaSの導入しやすさと使い勝手が大きく向上

DATAFLUCTとの連携は、①データの整備・運用の効率化、②低コスト化、③拡張化・柔軟化、を通じて”SeeMaaSをもっと使われるツールにする”の実現に向けて重要でした。MaaS Tech Japanが採用したのは、非構造化データや形式がばらばらなデータを自動で構造化し、専門知識がなくても高度なデータ分析を可能にするDATAFLUCTの技術です。

MTJ 古川

以前は、地域ごと・事業者ごとにデータ形式が違っていたり、一部でデータが欠損していたりと状況がバラバラな中、SeeMaaSを使うために必要なデータの収集やデータ形式の統一化、欠損データの処理、そして取り込みなど、そもそもの初期設定に多くの手作業を要していました。
案件ごとにエンジニアがひとつひとつカスタマイズ的に作り込んでいたので、SeeMaaSを実際に運用できるようにするまでに、かなり時間も工数も費用もかかってしまっていたのです。

ありがたいことにSeeMaaSへの引き合いが増え、今後もニーズが高まることが予想される中、限られたエンジニアリングのリソースや時間などを最適活用し、効率化を進めることで、より多くの自治体様・交通事業者様のお役に立てられる状態にしたいと、DATAFLUCT様との連携に至りました。

DATAFLUCTの技術基盤を活用することで、ばらばらのデータを自動で統一仕様に整形・変換できるとともに、交通分野以外の例えば観光・人流・基礎データといった交通にまつわる外部データも即時連携が可能になります。

これにより、SeeMaaS導入にあたってリードタイムの短縮と予算の低減を叶え、導入障壁を大きく下げることに成功。外部データとの連携もしやすいため、地域の移動実態をより精度高く把握できるとともに、複合的かつ拡張的な視点から課題に対する次なる一手を検討しやすくなります。

さらに、エンジニアは彼らにしかできない作業に注力できるため、よりよいプロダクト・サービスの機能改善や開発へのコミットも期待できます。

採用したDATAFLUCTの「Airlake platform」はデータ基盤のソリューション。ひとつの業界に特化したものではなく、使われてこなかったデータが現場にたくさんある中で、それらをノーコード・ローコードやAIの技術を活用してデータベース化することを強みとしています。

DARAFLUCT  河田氏

いくら便利なツールでも、現場で活用されなければ意味がありません。MaaS Tech Japan様のように現場の状況や事業のことを熟知している方々と連携することで、実際の現場で使っていただきやすい形でのソリューションになっています。

実際の構築にあたり、印象的だったのはMaaS Tech Japan様から「こういった指標で評価できるようにしたい」「こういう未来を目指しているからこのデータをこう加工したい」などと具体的にリクエストいただくことが多かったこと。通常であれば「データを見える化しましょう」にとどまることが多いのですが、MaaS Tech Japan様は現場からの課題感を抽出してくださいました。実際に現場の皆様と日頃から丁寧にコミュニケーションを取って信頼関係を築いていらっしゃるからこそのリクエストだと感じましたし、課題感や目指したい世界観がわかっているのでしっかりと解決につながるサービスとして形にできました。

左からDATAFLUCTの石田氏、河田氏

これまで見れなかったデータも取り入れ、数字に裏付けられた手応えのある運行計画が可能に

交通事業者様が感じる大きなメリットは、今まで自社で持ち合わせていないデータも組み合わせながら運行計画を立て、シミュレーションを経た上で、手応えのある実行につなげられること。

SeeMaaSの全体像
MTJ 清水

例えばバス会社の場合、バス乗降データは自社に蓄積されていくので見れますが、それで把握できるのはバスを利用した人のデータのみ。バスに乗っていない人の移動実態は分かりません。
SeeMaaSでは外部データとも連携できるので、人流データを取り入れ、バスの利用データと組み合わせることで、地域全体の人の移動を可視化することができます。
これまでなかったデータを手に入れることで、バス運行計画の検討にあたり「ここに路線を新たに走らせたり増便したりすれば、これまで利用しなかったお客様を含め、バスに乗ってくれる人がどれくらい増えるだろうか?」といったシミュレーションが可能になります。地域全体を見える化することで新しい見方や気づきを得られるとともに、経験や勘に頼りすぎず、より手応えのある数字データに裏付けられたダイヤ編成につながるのです。

SeeMaaSを活用した事例インタビュー記事もご覧いただけます。

自治体での活用は「政策判断の根拠」として

自治体でのSeeMaaSの役割は“政策判断の根拠”となること。活用いただく場面や目的は主に2つです。

  1. 路線再編(増減便)や補助金判断の根拠となるデータ分析
  2. 地域間比較・他都市事例に波及するような政策立案や効果検証
MTJ 古川

交通計画そのものを置き換えるものではなく、自治体様が行う交通計画の“エビデンス部分”を数字やデータで裏付けて強化するイメージです。また、SeeMaaSはさまざまなデータを標準化したり取り込んだりが可能なので、自分たちの市町を他の市町と比較するほか、市町や地域内の交通事業者をまたいで波及するような施策の検討や効果検証などでお役立ていただけると考えています。

「同じ数字で話せる」ことが円滑な協調を促進

昨今の少子高齢化で利用者が減り、働き手も少なくなる中、地域内の交通事業者同士が手を取り合って、協調していく必要が高まっています。実際、各地ではバスを共同運行したり、経営統合したり、地域によっては自治体が車両を保有したり、、といった動きも出てきています。

MTJ 清水

とはいえ、それぞれが持つ異なる数字やデータで議論を進めてしまうと、乖離や齟齬が生じてしまい、円滑な連携につながりません。

一方で、地域の移動課題解決に向け、自治体の方々が全体の旗振りをする場面もあります。この際も、交通事業者の方々と同じ目線で語れないと、適切な支援を施すことができません。路線変更ひとつをとっても、そのバス会社のみならず地域全体を俯瞰した上で、どんなインパクトがあるのかなどを検討・予測する必要があるのですが、その際にSeeMaaSは有用なツールになると考えています。

交通事業者と自治体はそれぞれ担うべき役割が異なるため、考え方のプロセスや視座などももちろん違ってきます。そうした中、客観的に判断できるデータは双方に取って必要であり、それを元にある程度同じ目線で予測や議論ができると足並みが揃ってきます。SeeMaaSを利用するお客様からは、スムーズな協調や合意形成が促されていると非常に喜んでいただけています。

SeeMaaSは「導入して終わりではない」地域に合わせて進化し続けるツール

DATAFLUCTと連携したことによるSeeMaaSの大きな強みは、ノーコード・ローコード基盤と生成AIの技術を元に、どんどん拡張して発展し続けられること。

MTJ 清水

先ほどもお伝えした大事なコンセプト「使ってもらわないと意味がない」にもあるように、移動課題、ひいては経営課題を巡る現場のお困りごとやその時の状況に対し、導入にかかるコスト負担などを大きく減らした上で、柔軟かつ適切にSeeMaaSをずっと使い続けられるような仕組みにしています。

生成AIを活用して新しいデータを都度取り込んでいったり、地域ごとの特殊な事情に応じて推計や分析をしたいモデルを作ったり入れ替えたり。さらには、交通分野にとどまらず観光や地域福祉など周辺分野のデータを外部から簡単に取り入れることもできます。

どんなデータがどういった課題の解決に必要なのかを、事業者様などと一緒に考えていきながら成長していけるプラットフォームがSeeMaaSの立ち位置だと捉えています。

外部データを自動で取り込みやすくなったことは、使い勝手の良さや気軽な活用に直結するポイントだとDATAFLUCTの石田氏も強調します。

DARAFLUCT  石田氏

さまざまなデータをかき集めて活用してみたいとおっしゃるお客様は結構いらっしゃるのですが、いろんな場所に散らばるデータを取ってくること自体は簡単にできても、様式が異なるデータの整理や標準化に時間や工数がかかってしまい、これまではスピーディーな活用が進みづらい状況でした。

しかし現在は、ノーコード・ローコードの技術の発展に加え、生成AIの精度も上がっていることもあり、タイムリーに必要な情報を、扱いやすい形でさっと手に入れることができるようになっています。

お客様の「ちょっと見てみたい、試してみたい」「こんなデータを取り込んでみたらどうなるか知りたい」「一旦やってみようか」といったカジュアルなトライ&エラーを促し、データ活用や活発な議論が進む一助になると考えています。これこそ、MaaS Tech Japan様との連携だから実現した価値だと思います。

SeeMaaS導入を迷っている方へ「まずは気軽に試してもらい、一緒に解決の糸口を見つけたい」

MaaS Tech Japanとして目指すのは、ただのツール提供者ではなく、交通業界の伴走者として一緒に課題を解決していくこと。SeeMaaSをより使いやすくなるよう開発を進めたのもその一環です。

MTJ 清水

自治体や交通事業者の皆様が地域の移動課題に日々向き合ったり、パートナー企業と連携したりする中で、気軽にSeeMaaSを扱いやすくすることは、その地域状況に適した活用を促すことにつながります。現場に即した形で使っていただくのと同時並行で、MaaS Tech Japanとしても、皆様と一緒に頭をひねりながら、解決の糸口を見つけていきたいです。

SeeMaaSは「現場の運行改善」から「経営改善」へ、最終的には持続可能な移動社会の構築に資するツールになると信じています。

MTJ 古川

新たなSeeMaaSの構築では、拡張性・柔軟性を高めることを意識しました。データがすべて揃っていなくてもカジュアルに始められるような体制となっているので、まずは気軽に相談していただきたいと強く願っています。

我々としても引き続き、SeeMaaSを長く愛用いただけるよう、一度きりの分析で終わらず、現場の運用により即して改善や発展を繰り返しながら、その地域に特化したツールに育てていきたいと考えております。

DARAFLUCT  石田氏

私たちDATAFLUCTもMaaS Tech Japan様と同じ志で、長期的かつ継続的に使っていただけるサービスに育てていきたいと考えています。データを収集・分析することが目的になるのではなく、現場の課題感をしっかり理解しているMaaS Tech Japan様と一緒に連携しながら、データを手段に移動課題の解決に貢献していきたい。
また、交通を巡る課題は、いち地域の問題ではなく日本社会全体にまたがるものだと考えます。データや知見が一つ一つの地域で蓄積されるのではなく、日本全域で広くシェアされたり、横断的に活用し合えるのが理想的な形。SeeMaaSが交通業界におけるひとつの標準化されたツールとして各地に広まったら価値をさらに見出せるのではないかと期待しています。

DARAFLUCT  河田氏

事業者様の課題にダイレクトに応えられるとともに、コスト面でも負担を抑えた形で、サービスを開発できたのは今回の連携による成果です。低価格でありながらも、現場の運行課題、そして経営課題の解消にもつながるSeeMaaSは手前味噌ながら非常にメリットが大きいのではないかと実感しています。「ちょっと使ってみよう」な感覚でぜひお試しいただきたいです。

交通事業者にとって、交通サービスの運行維持・発展は事業継続を左右する重要な柱でもあります。SeeMaaSは、これらを巡る改善を通じて、事業全体や経営の改善につなげ、ひいては持続可能な地域交通の実現に貢献することを目指して開発されたプロダクトです。

MaaS Tech Japanは引き続き、100年先の理想的な移動社会の基盤を構築し、移動社会を高みにシフトさせることを目指し、取り組んでまいります。

本件についてもう少し詳しく聞きたいというご要望はもちろん、移動や地方交通などMaaSに関するお悩みや協業に関するご相談、MaaS Tech Japanが展開する各種プロダクトやサービス内容についてなど、お気兼ねなくお問い合わせください。

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